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「喜劇」は「悲劇」の10倍難しい

昨日は友人の舞台を観に行ってきました。
以前一緒にミュージカルの舞台を踏んでいた
俳優・本村友之くん。

私はその後音楽の道へ行きましたが、
彼はずっと舞台人生をまっしぐら。

今回は出演&舞台監督もしていました。

いや~本当によかった。
心から楽しませてもらいました!

実は彼の舞台はしばらく都合が合わなくて
行けなかったのですが、前回観に行った
東京芸術劇場での文化庁主催の舞台以来、
昨日数年ぶりに鑑賞し、再会できました。

うら若き頃からの戦友が活躍する姿を
見るのは嬉しいことです^^
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ちなみに今回彼らが演じていた作品は
「Run for your wife」(レイ・クーニー原作)という、
少々怪しげなタイトルの舞台で、
歌も踊りも一切ない喜劇のストレートプレイ。

ストーリーは、

「イギリスに住む平凡な一人のタクシードライバーが
実はこっそり家庭を2つ持って、何食わぬ顔で
生活していた所、ちょっとした事件に巻き込まれてしまい
この2重生活がバレそうになる。

それを2人の妻に必死に隠そうとして
友達や警察、アパートの隣人たちを巻き込みながら
様々な嘘を重ねてどんどん追い詰められていく。」

・・というもの。

これが本当にテンポが良くてパワフルで痛快!
気温的には寒目だった会場でしたが、
途中笑いすぎて暑くなり、結局大汗かいて観てました。

でもさすがのプロ集団。
笑うところをきちんと笑わせてくれる。

実は「喜劇」って「悲劇」の10倍難しいと
言われていて、演技スキルに余程自信がないと
やれるものではないんです。

例えば観客を泣かせたいのなら
生き別れの親子を再会させたり、
親友をかばって主人公が死ぬ・・などの
”ストーリー設定だけで涙が出そう”な環境は
割と容易に出来上がります。

でも、笑わせるには原作のセンスに加え、
テンポ、掛け合いパワー、滑舌、相手との呼吸など、
役者のスキルに頼る部分がかなり大きいんです。

もし、役者がひとつ呼吸を間違えると
お客さんは笑うタイミングを失い、固まる。

役者はそれにもひるまずに、舞台の最後まで次の笑いに
チャレンジし続けなければならない。

それでもウケないと、笑いに来たお客さんは
「時間とお金を返してくれ!」という気分になるし、
役者は泣きたい、逃げ出したい。
「喜劇」は「悲劇」の10倍難しい_c0104293_117426.jpg

これはもう本当に「喜劇」が生む”リアル悲劇”です。
(↑ややこしい)

それを思うと、2時間余りのこのとてつもない
セリフ量の舞台をエネルギッシュにこなし、
見事絶え間無い爆笑を誘った彼らのスキルとパワーには
本当に心から拍手を送りたいと思いました。

そしてこれからもまだまだ観客に
たくさんの笑いと感動を与え続けて欲しいと思います。
「喜劇」は「悲劇」の10倍難しい_c0104293_10442989.jpg

by nami_privateroom | 2014-04-14 10:46 | 感動
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